
夏は暑い、とはいえ、暑過ぎる毎日が続いていますが、みなさんお元気ですか?
こう暑いと、毎日のコーディネートを考える前に、服を着たくなくなりそうですが・・・(^^;;
いえいえ、ファッション好きの私たちは暑さにもめげず、暑いなら暑いなりの夏のおしゃれを工夫するのが楽しいというもの。
今年の夏も、風通しの良さそうな大きくふくらんだ袖のアイテムがトレンドですが、ここ数年、ファッション・トレンドとして「袖コンシャス」という言葉をよく目にしませんか?
「Conscious(コンシャス)」は「意識的な」という意味の英語で、「袖に意識が集まるような特徴のあるデザインの衣服」という意味で作られた造語です。レースやフリルがついたもの、ギャザーを寄せたもの、ボリュームをもたせたものなど様ざまなデザインがあり、今風に「盛り袖」とも言われます。
特に近年は「ランタン・スリーブ(Lantern sleeve)」のシャツやワンピースが女性に人気のようです。

「ランタン・スリーブ(Lantern sleeve)」の「ランタン(Lantern)」は、「提灯(ちょうちん)」を意味する英語です。ですから、日本では「提灯袖(ちょうちんそで)」とも呼ばれています。
その由来は・・・袖の形を見れば一目瞭然ですよね。
ランタン・スリーブ 【Lantern sleeve】
ちょうちんを下げたような感じにふくらんだ袖のこと。
ちょうちんそで 【提灯袖】
<ちょうちん>のようにまん中でふくらんだ形の袖。また子ども服によくみられる短いパフ・スリーブをいうこともある。ランタン・スリーブともいう。
ちょうちんそで 【提灯袖】
(スリーブ 【Sleeve】の項)
ちょうちんのようにふくらんだ袖。ランタン・スリーブともいう。子ども服によくみられる短いパフ・スリーブをいうこともある。
日本語の「提灯袖(ちょうちんそで)」には、「短いパフ・スリーブ」も含まれるようです。
そのため、ランタン・スリーブとパフ・スリーブは混同されがちなので、ちょっと整理してみましょう。

ランタン・スリーブは丸くふくらんだ袖という意味ではパフ・スリーブの一種ともいえますが、パフ・スリーブが一般的にギャザーやタックを寄せて袖をふくらませるのに対して、ランタン・スリーブは袖口のラインと並行の切り替え線のところを裁断し、立体的に縫製することによって、丸いふくらみを作っています。
裁断と縫製でふくらみを作るランタン・スリーブは、使用する生地にハリがないとふくらみがしぼんでしまい、フォルムがキープできません。
ボンディング加工などハリのある布を使うと、きれいなフォルムが保てます。
ランタン・スリーブは、ギャザーやタックによるシワがない分、丸いフォルムが引き立ち、シルエットがスッキリしています。パフ・スリーブに比べて甘さが控えめになるので、ガーリーな甘さが苦手な人も、あまり抵抗なく着られると思いますよ。
黒いランタン・スリーブのシャツやワンピースが人気なのも、いつも辛口コーデをする人でも、チャレンジしやすい流行アイテムだからでしょう。
比較的下側にボリュームがあって、長さがあるものが人気のようですが、二の腕が気になる筆者も、夏は袖周りがゆったりしていながらもきれいめで、しかも二の腕をしっかり隠しつつ、流行も取り入れられるこのタイプは、大変重宝しています!
ランタン・スリーブ 【Lantern sleeve】
(スリーブ 【Sleeve】の項)
ランタンは<ちょうちん>のことで、ちょうどちょうちんを下げたような感じにふくらんだ袖のこと。短かめの袖に多い。比較的張りのある布を用いる。

「パフ・スリーブ(Puff sleeve)」は、先ほども少し触れましたが、ギャザーやタックなどを寄せて肩先や袖口をふくらませた袖です。
パフ・スリーブの「Puff(パフ)」は、「ふわっとふくらんだもの」という意味があります。例えば「シュークリーム」は英語で「Cream puff」と言いますし、化粧時にパウダーをはたく時に使う「パフ」は「Powder puff」と言いますね。
基本的には短めのものを指すようですが、長めのものもあります。
短めのパフ・スリーブはかわいらしい印象になるので、子ども服やガーリーな服、またはウェディング・ドレスなどによく見られます。
かわいらしい印象の袖ですが、ルネサンス時代のヨーロッパでは、女性だけでなく男性も着用しました。現代でもフラメンコやオペラなどの衣装で、男性のパフ・スリーブを見ることができますよ。
パフ・スリーブ 【Puff sleeve】
パフは<着物などをくくってつくったふくらみ>のことで、ギャザーなどで肩先とか、袖口をゆったり、かわいらしくふくらませた袖をいう。

流行のランタン・スリーブから、従来から見知ったパフ・スリーブについて、少し整理してお話ししましたが、この他にもふくらんだ袖は様ざまなものがあります。それだけ、ふくらみのある袖は、古今東西で愛されているのですね。
次回は、その他のふくらんだ袖をいくつかご紹介したいと思います。お楽しみに!