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渋谷ファッション&アート専門学校

服飾専門課程
(ファッション)

ウェディング・ドレス

Wedding dress

ファッション豆知識COLUMN

6月というと、女性ならまず思い浮かべるのは、「ジューン・ブライド(June Bride)」ではないでしょうか。「6月に結婚する花嫁は幸せになれる」と言われており、多くのカップルが挙式月として選んでいます。

「ジューン・ブライド」の由来については諸説ありますが、ローマ神話に登場する主神ユピテル(Juppiter)の妃で、結婚や出産を司る女神ユノ(Juno)が守護する月が6月(June)であることから、古くからヨーロッパでは、この月に結婚をすると、生涯幸せに暮らせると言われてきました。また、かつてヨーロッパでは、農作業の妨げとなることから3月~5月の結婚が禁じられていました。そのため、結婚が解禁となる6月に結婚式を挙げるカップルが多かったからという説も。 季節的にも6月のヨーロッパは、1年で最も雨が少なく、花も咲き、明るく開放的な雰囲気になるので、まさにウェディング・シーズンとして最適なのです。

でも6月は、日本では梅雨の季節にあたり、あまり結婚式に適した季節ではないのになぜ日本でも?と思われている方も多いかもしれません。日本では戦後、ホテル業界が結婚式の閑散期対策として、このヨーロッパに伝わる「ジューン・ブライド」を採用したことによって広まったようです。
最近では、入籍だけ6月にしたり、気候の良いハワイやヨーロッパ諸国での海外挙式をするカップルも増えているそうです。

さて、花嫁といえば、花嫁衣装。
花嫁衣装には、その国の民族衣装などが用いられることも多いですが、日本では和装以上に洋装のウェディング・ドレスが人気です。

ウェディング・ドレスといえば、純白が定番。白には「清楚」「純潔」「純粋」といった花嫁にピッタリなイメージがありますが、実はもともと白は、ウェディング・ドレスとしては稀な色でした。白いウェディング・ドレスがここまで定番化したのは、19世紀に結婚式を挙げたイギリスのヴィクトリア女王が、シルクサテンの白いウェディング・ドレスを着用したことがきっかけだそうです。以来、上層階級の間で流行し、定着していきました。

ウェディング・ドレスは思った以上に歴史が古く、古代ローマ時代にはすでにあったそう。

ウェディング・ドレス【Wedding dress】

ウェディング・ガウン、ブライダル・ガウンなどともいう。わが国で花嫁衣装といわれるもので、結婚式に花嫁が着るドレスの総称である。ちなみにウェディングは、結婚式という意味。フランス語でこのドレスは、ロブ・ドゥ・マリエ(robe de mariée)といわれる。古代ローマ時代にはローマ人は花嫁に炎色のヴェールを用い、キリスト教徒は白または紫の衣装をつけたが、18世紀以降その白を用いる習慣が続き、今日洋装の花嫁衣装といえば誰もが純白で、イブニング・ドレスのように長いドレスを想像するほどに白が決定的になっている。また再婚者はブルー、ピンクなどの薄い色のついたものを用いるともいわれている。

解説:「新・田中千代服飾事典」より

炎色のヴェール、なんて、情熱的ですね。
白が定番化したとはいえ、白でないといけないわけではありません。
最近では、デニムを使ったドレスを発表したブランドもあるそう。
自分の好きな、似合う色を選んで、個性を活かしたドレスも素敵だと思いますよ。

オートクチュール・コレクションのラストルック(最後)が、ウェディング・ドレスであることは、しばしば見かけられます。
ファッションとしても、ウェディング・ドレスを作るのは、職人の総力あげての仕事なのです。色、素材、デザインのみならず、シルエットによる全体的な美しさを求められるため、その下着に至るまで高い知識と技術が必要です。また、セレモニーとしてのマナーや、式の間の花嫁の動きや着心地などにも配慮しなければいけません。

ウェディング・ドレスで重要なことは、こまかい切替線や飾りではなく、全体のシルエットによって美しさをあらわすことにある。したがってカットと、仮縫がそのポイントとなる。前裾を靴で踏まないように、床から3〜4センチ高くしておくなどの配慮も必要である。ポケットなども通常つけられず、また花嫁がバッグを持つこともないため、こまごましたものは、つきそいのブライダル・メードが持つ。さらにドレスを生かすための下着についての注意も忘れてはならないことである。

解説:「新・田中千代服飾事典」より

憧れのウェディング・ドレス。
着る人はもちろん、作る人にとっても、永遠の憧れの象徴ですね。
心のどこかにいつも、ウェディング・ドレスを纏ったような部分を持っていたいものです。

文/佐藤 かやの(フリーライター)