現代においては彫刻作品の幅は多様化しているため「立体作品」という括り方で表す場合もあります。素材も特に限定されません。そうした立体作品を制作するには、使用する素材や自分が表現したいテーマの方向性を追求する事が大切です。
しかし、私たちはそのための基礎的な能力を養うには、ものの形や構造を的確に捉えるためのデッサンや、人体や動物をモチーフにした作品作りから始める事が重要だと考えています。
また技法に関しては、粘土を使っての塑像作品と木彫作品づくりを基礎から学びます。粘土による塑像づくりでは石膏取りの技術も学びます。特に大型の立体作品では制作工程が長い上、途中での移動が難しいため、作業の場所を特定しておく必要があります。
そのため彫刻コースの授業は、工房型授業という方式で行い、「美術表現科」「造形表現科」「表現研究科」の3学科の学生が同じ工房で学びます。
題材は共通としながらも、それぞれの学科に応じて人体であれば、頭部、手、といった部分から半身像、全身像というように難易度を上げながら技術の学びを深めていきます。