ものをつくる、かたちを描く、美術はなにかを伝えるために生まれました。
やがてそこには様々な技術と方法が備わり表現としての作品が育ちます。
自身の思うように描いてゆく直接技法の絵画とは異なり、間接技法の版画には素材と工程が介在することで思いがけない絵が現れることがあります。
版画には、これまでの経験では出会えなかった絵の表情や発見が待っています。
伝統的な版表現技法である「銅版画」「木版画」「リトグラフ」の3 版種を技法やサイズを変えながら1年間を通して学び自身の表現に合った制作につなげてゆきます。
版画制作には銅版とリトグラフのプレス機、腐食製版設備などの工房が必要となります。
その為、「美術表現科」「造形表現科」「表現研究科」の学生が同じ工房で各自の課題や研究に応じた制作に取り組みます。
書籍や印刷と近しい出自を持つ版画作品は絵本や装丁・挿絵などへの展開につながることも多く、新たな制作の可能性が広がることでしょう。