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渋谷ファッション&アート専門学校

服飾専門課程
(ファッション)

コスチューム

Costume

ファッション豆知識COLUMN

さて、最近の10月のメインイベントというと、すっかりハロウィンが定着しましたね。

毎年渋谷のスクランブル交差点の騒ぎが取り沙汰されますが、この時期は渋谷だけでなく多くの街で地域コミュニティあげてのイベントが催され、大掛かりなパレードで有名になった街もあります。
特に子供たちにとっては多くのイベントが用意されているため、子供たちのコスチュームに親たちも真剣。親子お揃いのコスチュームもよく見かけます。
今年はどんなコスチュームを着ようか、など準備から盛り上がれるのが、ハロウィンの楽しいところですね。

「コスチューム」には様々な種類がありますが、ハロウィンのような仮装に用いられるものは、「ファンシー・コスチューム(fancy costume)」に分類されます。

コスチューム【Coctume】

<衣裳(衣装)><服装><身なり>などのこと。とくになんらかの意味で日常用いられる一般の衣服、衣類と区別して特殊性をもった衣装、衣服のことをさす。すなわちその国で生み出された国民性を表現する独特の衣服であるナショナル・コスチューム(national costume)、仮装に用いられるファンシー・コスチューム(fancy costume)、あるいはスポーツ用衣服としてのベージング・コスチューム(bathing costume=水着)、スキー・コスチューム(ski costume=スキー服)、芝居の役柄を表現するシアトゥリカル・コスチューム(theatrical costume)といったものが一例で、いずれも特殊な場合、場所、ときに応じて用いられるものである。そのほかコスチュームとして一般の衣類と区別されるものには、儀礼のさいに用いられる衣服、特定の国、民族、地方においてつくられ、そこにおいてのみ用いられる衣服、特定の時代、時期に着られた衣服、特定の職業、階級、身分の人が用いる衣服、芝居、仮装、祭、または特定の行事において用いられる衣服、とくにある時期にひじょうに流行をみた衣服、絵画などにあらわされて有名になった衣服、個人の性格をつくりだすために独特の表現がなされた衣服、その他特殊な、あるいは特異な衣服などがある。

解説:「新・田中千代服飾事典」より

仮装的なコスチュームというと、アニメなどのキャラクターに扮する「コスプレ」が思い出されます。

「コスプレ」は「コスチューム・プレイ」の略とされていますが、本来の「costume play(コスチューム・プレイ)」とは、全く意味が違います。本来の「コスチューム・プレイ」の意味は、英語の文字通り「costume(衣裳)」を身につけてする「play(演劇)」で、時代劇、歴史劇など特別な衣裳で演じる演劇を指します。シェイクスピアなどの古典劇が好い例でしょう。

こうした劇における役柄をあらわすコスチュームは「シアトゥリカル・コスチューム(theatrical costume)」に分類されます。

最近では演劇や映画、オペラなどの衣裳の展覧会なども人気です。

オペラも「costume play」のひとつと言えます。
オペラは歌手による歌や音楽が魅力の歌劇ですが、同時に舞台セットや衣裳が豪華な演目が多く、それもオペラの大きな魅力となっています。

オペラは観劇料が高価なのでなかなか観に行く機会がないと思いますが、若い人向けには啓蒙を目的として割安な席を設けていたり、夏休みなどには初心者や学生向けのプログラムもあります。また、最近はニューヨークのメトロポリタン歌劇場やロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスなど海外の有名歌劇場の公演が映画になって上映されており、割安で便利です。

秋はオペラ・シーズンの始まりで、各地で多くの公演があります。少しでも興味を持った人は、オペラ公演の情報を探してみてくださいね。

以前「プリーツ」で紹介したマリアノ・フォルチュニは、オペラの装置や衣裳でも才能を発揮した人です。

こうしたコスチュームをデザインするデザイナーは「コスチューム・デザイナー」と呼ばれ、衣服のファッション・デザイナーとはまた違うスキルが必要となるため、服飾学校では専門の学科が置かれます。
日本人のコスチューム・デザイナーでも、日本人で初めてグラミー賞を受賞した石岡瑛子さんなど才能豊かな方が多いですよね。

ちなみに今月初旬に上演された、宮本亞門氏演出のジャコモ・プッチーニ作曲のオペラ「蝶々夫人」の衣装は、あの高田賢三氏が手掛けて話題になりました。

また、民族衣装や儀礼服などもコスチュームのひとつですが、今年の10月は貴重な儀礼服が見られる、私たち日本人にとってはハロウィンよりも特別な儀式があります。そう、新天皇の即位の礼の一連の儀式が執り行われます。

新天皇は、黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)という平安時代以降の日本の天皇が重要な儀式の際に着用する装束、皇后は艶やかな十二単(じゅうにひとえ)姿、他の成人皇族方も平安装束で勢ぞろいし、儀式はさながら平安絵巻のような様子だとのこと。衣裳の観点から見ると、また一層伝統の重みを感じるかもしれません。

この他にも「コスチューム」には多くの種類がありますが、「コスチューム」と言える共通条件は、「特別なものであること」の他に「一揃いであること」があります。

日本語の「衣裳」という語は、元来「衣」が上半身につける衣服で、「裳」は下半身につける衣服のことをあらわしており、上下揃って初めて「衣裳」と言うのだそうです。例えば「花嫁衣裳」は単にウェディング・ドレスや、打掛(うちかけ)だけのことではなく、下着や履物、装身具などの一揃いのことを指しているのです。

また衣服のみにかぎらず、前述のような場合に衣服の付属品として用いられる個々の装飾やアクセサリー類、たとえば帽子、スカーフ、リボン、宝石、靴などもふくまれる。日本語の<衣裳>という語に関しては、元来<衣>は上半身につける衣服、<裳>は下半身につける衣服のことをあらわしており、上下そろって<衣裳>という一揃いのものをあらわしている。したがって<衣裳>とはある場合に用いられる衣服のうちの一点だけをいうのではなく、それらの一揃いをさすのが普通である。花嫁の着る衣服は、結婚という特別な場合のためのものであるから<花嫁衣裳>とよばれ、通常の衣服と区別して、当然コスチュームの一種と考えられるが、単にウェディング・ドレス一点のみ、あるいは、打掛(うちかけ)の一枚のみのことをいうのではなく、下着からかぶり物、はき物、装身具などの一揃いのことをさしている。また服装史という場合には、a history of costumeのようにあらわされるが、この場合は時代という特殊性を表現しようという意味あいが強いためと考えられる。

解説:「新・田中千代服飾事典」より

ハロウィンも過ぎると、いよいよ年末のパーティー・シーズンに突入です。
クリスマスから新年までのパーティーは、今年はコスチューム的なファッションでみんなの盛り上げ役になってみては?
華やかな気分を後押しするのも、ファッションの大事な役目ですからね。

文/佐藤 かやの(フリーライター)