ファッション豆知識

ジーンズ

5月、晴天の多い爽やかな季節になりました。
「五月晴れ/皐月晴れ(さつきばれ)」という言葉がありますが、「五月/皐月」は旧暦の5月を指し、新暦では6月の梅雨の時期にあたることから、本来は「梅雨の晴れ間」を意味する言葉でした。しかし、新暦の爽やかな晴天にも誤用されるようになり、やがて慣習化されて現在の活用に至りました。ちなみに「爽やか」という言葉もこの季節によく使う言葉ですが、本来は秋の季語なのだそうです。

さて、アウトドアイベントも多いこの時期に大活躍なのは、ジーンズ【Jeans】。
今回はこのジーンズについてのお話です。

「ジーンズ」「ジーパン」「デニム」など様々な呼称がありますが、
皆さんは何と呼んでいますか?

ジーンズJeans

ジーンとよばれる丈夫な細綾織りの木綿布で作られたパンツおよび衣服のこと。現代では、ジーンズというと、特にインディゴ・ブルーで代表されるパンツをさすが、その場合ジーン製ではなく、多くがデニム製になっている。フランス語では、ジーン(jean)でジーンズのことやその素材のデニムなどもさす。
また、ジーパンは和製英語である。

「ジーパン」はよく「Gパン」とも書かれますが、「ジーンズ・パンツ」を略した和製英語でした。
同じく「ジーンズ・ジャンパー」も今では「Gジャン」と呼ばれることが一般化しています。

インディゴ・ブルーのデニム製のものは、性別や年齢問わず幅広く愛用されており、今ではカジュアルファッションには欠かせないアイテムです。
そのデニム製のブルー・ジーンズの生みの親は、あのアメリカのリーヴァイ・ストラウス社です。

ジーンズの生みの親はリーヴァイ・ストラウスで、彼が1853年にアメリカのカリフォルニアにゴールド・ラッシュで集まった金鉱堀に適したパンツとして考えたのが、現代のジーンズの原型となるもので、それは幌馬車の幌やテント用の生地で仕立てた頑丈で、だぶだぶの作業用パンツであった。その後、フランス産のセルジュ・ドゥ・ニーム(これを縮めたのが英名のデニム)を仕入れ、これをインディゴ・ブルーに染めて売り出した。インディゴに染めたのは、染料の臭いが虫よけ、毒へびよけになるというインディアンの知恵をとり入れたともいわれる。ストラウスに続いて、カンザス州でヘンリー・D・リーが農夫用のオーバーオールスやカウボーイ・パンツを売り出し、1926年に初めてジッパーを使用した。西部や南部の働き着であったジーンズが、ファッションとしてとり入れられ始めたのは1930年代に入ってからで、アメリカのデザイナー、クレア・マッカーデルが流行をつくったといえる。1950年代、1960年代には映画やロックなどの音楽を通して若者にジーンズ熱が高まり、1970年代、1980年代にはさまざまな素材や加工をほどこした変化に富んだジーンズが登場した。

元々労働者の作業着であったジーンズは「正装」とみなされていないため、特に海外では、今でも一部のドレスコードを有する高級レストランや教会や寺院、ゴルフ場などでも、ジーンズ禁止の場所があります。海外旅行で観光に行く際は、服装のマナーも確認しておくとよいでしょう。

ブルー・ジーンズは、初夏らしいコーディネートの定番。
ボーダー柄との相性は抜群ですが、今年はトレンドのワイドパンツタイプなどを合わせたり、スカーフやアクセサリーでひと工夫してみましょう。
ベーシックに、ホワイトのTシャツやスニーカーと合わせると、もう夏はすぐそこです。

文/佐藤 かやの(フリーライター)

写真はイメ―ジです。