ファッション豆知識

バッグ

4月、新しいシーズンを迎えて、
就学や就職など生活環境が変わったことにより、
また生活環境が変わらなくても、気分を新しくするために、
バッグを新調する人も多いのではないでしょうか。

今回のテーマはバッグ【Bag】。

バッグBag

<袋><かばん><ハンドバッグ><さいふ><手さげ>のこと。またバッグズと複数になって<スラックス>のことをさす俗語でもある。物をいれて持ち歩くためのものであるが、服飾においては実用よりアクセサリーとしての目的が主となるものもある。

バッグの祖先である袋やポケットの歴史は、思った以上に古いようです。
いまだにその歴史の名残を世界の民族衣装にみることもできます。

歴史的にはふくろやポケットなどの利用は、かなり古くからみられた。紀元前9世紀ごろのアッシリアの浮彫りに四角い手さげ袋をさげた僧りょの姿がある(袋ではなく手桶であろうという説もある)。また古代ギリシアの発掘品の中に刺繍のほどこされたリネン地の小さな袋をみることができる。中世になると袋は鍵などといっしょに腰帯からつるし、さいふとして使われた。これはオモニエール(慈善袋)とよばれ、男女とも使用した。日本でも巾着(きんちゃく)を腰につるす習慣があった。近世にはいってから袋をベルトにつるす習慣はすたれたが、スウェーデン、ノルウェーなどの婦人の郷土服には、ベルトに刺繍いりの大きなバッグをつるす習慣が残っている。

ファッション的な手さげバッグは、
フランスのナポレオン皇帝の時代にポケットから派生しました。

1804年ナポレオンがフランス皇帝の位について以降しばらくエンパイア・スタイルが流行したが、スカートが細く小さく、薄い布のために、これまでの大スカートに隠されていたポケットがつけられなくなり、手で下げるバッグ(レティキュール)が流行するようになった。当時のバッグは口金のついた刺繍いりの布製のもので、手に下げて歩いた。その後大きなスカートがふたたび流行したが、バッグはポケットにかわることなく用いられた。

バッグも大事なオシャレの要素。
たくさんの種類があります。
「新・田中千代服飾事典」に紹介されているものだけでも、実に120種類以上の種類があります。
その背景には、女性の社会進出もあるようです。

20世紀になると女性も社会へ進出するようになり、機能的な役目をはたすバッグが必要となり、種類は急激にふえた。婦人のショルダー・バッグは第二次世界大戦が生みだしたものといわれる。現在では材料は布、ビーズ、レース、ビニール、革、合成皮革などが大部分をしめ、形も用途に応じて多種多様である。フランス語ではバッグのことをサック(sac)という。

材質、デザイン、機能様々なバッグ。
TPOやコーディネートに合わせて、バッグのオシャレも楽しんでくださいね。

文/佐藤 かやの(フリーライター)

写真はイメ―ジです。