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渋谷ファッション&アート専門学校

服飾専門課程
(ファッション)

レインコート

Raincoat

ファッション豆知識COLUMN

6月というと、日本では梅雨。

春から初夏にかけての爽やかな季節を迎え、おしゃれも楽しくなってきた頃に訪れる雨季。雨や曇りのぱっとしない日が続き、気温と湿度も上昇して不快指数が増してくると、つい鬱陶しい気分にもなってしまいますね。
そんな時こそ気分が華やぐものを身につけて、楽しく梅雨の日々を過ごしたいもの。

雨の日に着るものといえば、濡れないために着用するレインコートがありますね。
あなたがいつも着るレインコートは、どんなレインコートでしょう?透明のビニールタイプ?それとも機能性の高いアウトドアウェアタイプ?
一口にレインコートと言っても素材や形が様々なので、実は立派なおしゃれアイテムになるのです。

レインコート【Raincoat】

雨で衣服がぬれないように服の上から着る防水のほどこされたコートの総称。防水加工した布地、綿や毛のギャバジン、バーバリー、ビニール、ゴムなどでつくられている。布製のものは無地、縞(しま)、格子、花柄などのものがあり、リバーシブルになったものや、フード、帽子やかさとそろいになったものもある。最近ではシューズ、バッグなどとコーディネートされたものも多くみられ、実用と装飾をかねた美しいデザインのものも多い。

解説:「新・田中千代服飾事典」より

特に素材は、防水性を高めるために様々な工夫がなされてきました。

木の樹液を古いコートに塗りつけて防水加工を施したものが始まりとも言われていますが、現在のレインコートの原型は、1823年にスコットランド人のチャールズ・マッキントッシュ(Charles Macintosh)が開発した、画期的な防水布を用いた丈の長いコートだそうです。
当時布地に油を染みこませたくらいの防水性だったものを、マッキントッシュは、天然ゴムを2枚の生地の間に塗った上で圧着加工し、防水機能を飛躍的に向上させました。このゴム引きの防水布(マッキントッシュクロス)を使用したコートは当時のロンドンで大流行し、その後もレインコートのことを「マッキントッシュ」と呼ぶようにまで定着しました。
以来マッキントッシュは、コートのブランドの代表格として今でも人気を保っています。

マッキントッシュ

もうひとつ、防水布を進化させて、コートのブランドの代表格となったブランドがあります。それは皆さんもよくご存知のバーバリー(Burberry)です。

1879年(特許取得は1888年)にトーマス・バーバリー(Thomas Burberry)が、雨水をはじくように化学処理をした、先染めの綿素材のギャバジンを開発しました。
この綿のギャバジンは、先のゴム引きのマッキントッシュクロスには無かった、生地の通気性を活かした丈夫な生地です。
防水とはいかないまでも、水をはじく耐水性と耐久性、通気性を確保したこの実用的なギャバジンは、まず軍隊や冒険家たちに愛用されました。
冒険家たちは、衣服だけではなくテントにもこの生地を使用しました。また、防寒性もあるため、1914年に遭難した南極横断探検隊が、奇跡的に全員生還した時に、このバーバリーのギャバジンを使用した防寒具を着用していたそうです。
第一次世界大戦が始まると、軍部から塹壕(ざんごう=トレンチ)での戦闘に適した軍服の依頼があり、それに応えて作ったのがトレンチ・コートです。終戦後、この戦闘服だったトレンチ・コートは、その実用性から一般市民にも広まり、今ではコートの定番となっています。

バーバリー

やがて雨の日だけではなく、レインコートはスポーツやハイキングなどのアウトドア全般に用途が拡がりました。

コートの長い丈は、動きやすいように短くなり、レインジャケットが登場します。
そのジャケットと合わせたズボンとセットのものは、レインスーツと呼ばれています。自転車に乗る際は、レインスーツが適していますね。
また、リュックやショルダーバッグの上から羽織れるポンチョタイプは、可愛らしいデザインで、子供や女性に人気です。

羽織るポンチョ型といえば、古代から世界中で使用され、中世以降は日本や東アジア文化圏でみられる雨具で蓑(みの)があります。
皆さん蓑って知っていますか?ミノムシ(蓑虫)のミノ(蓑)です。ミノムシは蓑をまとった小さな虫ですが、最近は減少しているようで、あまり見かけなくなりましたので、知らない人もいるかもしれませんね。
蓑は、わらやカヤなど撥水性のある植物を編んで、雨水の浸透を防ぐ外衣です。

蓑の後に登場したのが合羽(かっぱ)です。今でも年配の人は、レインコートのことを「雨合羽」と言う人が多いのではないでしょうか?

アウトドア

みの【蓑】

わら、カヤ、スゲなどの植物の茎や葉でつくった外衣。
おもに雨雪をしのぐために、肩からかけ、胸であわせて用いる。

解説:「新・田中千代服飾事典」より

現代のレインコートと言えば、もっぱらポリ塩化ビニール製が多いでしょう。

そんなビニール製のものでも、トレンチ・コート型やジャケット型、フード付き、襟付きなどデザインは様々です。最近は色や柄のヴァリエーションが増えて、服装に合わせてレインコートもコーディネートするおしゃれさんもいるそう。傘や雨靴もコーディネートしたら完璧ですね。

とはいえ、1番よく見かけるのは透明のビニールのものではないでしょうか。軽量でコンパクトにたためるものは、便利ですよね。
でも、「それじゃおしゃれじゃない!」と思いきや、最近はこの透明性を活かしたハイデザインなレインコートもあるようです。

現代のレインコート

雨の日だって、いや、雨の日こそ、外に出たくなるようなおしゃれをしましょう。着る服で気分も変わりますものね。

そう、レインコートもファッションです。コーディネート・アイテムのひとつとして、様々なタイプのものを持っていてもいいですね。
おしゃれなデザインのものは、雨の日じゃなくても着られそう。ジャケットならアウトドアやスポーツ、また普段使いもできたら、おしゃれ上級者です。

ファッション

文/佐藤 かやの(フリーライター)