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渋谷ファッション&アート専門学校

服飾専門課程
(ファッション)

ベルト

Belt

ファッション豆知識COLUMN

前回、「ボタン記念日」がある、という話をしました。
その「日本記念日協会」に登録されている記念日には様々なものがありますが、今回は12月10日が記念日だという「ベルト」のお話です。

なぜこの日が「ベルトの日」なのかというと、「奈良の正倉院に収蔵されている日本最古のベルトの本体に紺玉の飾りが付けられており、紺玉は12月の誕生石のラピスラズリのことなので12月。12月に流れるクリスマスソングの『ジングルベル』の『ベル』に、10日の『ト』を組み合わせて『ベルト』とする語呂合わせから」とのこと。(日本記念日協会HPより引用)ちょっと無理やりな感じもしますが(笑)、ベルトの実用性、ファッション性、そしてギフト製品としても需要の高いことをアピールするために設けられたそうです。

実用的にはベルトは帯と同様、衣服を腰の辺りで巻いて固定させ、服のずれを防ぐ目的で使用されています。よりきちんと固定するために、ズボンなどベルトを通すベルトループが付いている服もあります。

現代のベルトは通常細長く平らな形状で、固定具であるバックルなどと一体化しています。バックル部分で、任意に長さを調節することが出来ます。

材質は皮革、金属、プラスティック、鎖、エナメル、布などが用いられます。コートやワンピースなどに見られるように、その服と同じ共布(ともぬの)で作られる場合もあります。

「ベルト」と同じようなものに「バンド」がありますが、厳密には「バンド」は「多くの輪になったもの、輪状のもの」を示すようです。

ベルト【Belt】

帯、帯状、紐状の輪になったもの、あるいは輪になっていないもののこと。バンド(band)とほとんど同義に用いられているが、厳密にはバンドは多く輪になったもの、輪状のものをさすのが普通とされている。また、輪状に結ぶ場合でも、ベルトは2重、3重に巻いて用いることもある。ほかに<筋(すじ)>という意味もあり、柄としての縞や、ドレスの中にベルト状につぎあわせてとりつけられた細長い布などのこともさす。またバンドと同様、ベルトに似たものにガードル(girdle)があるが、これは<帯>、<腰帯>などの意味で、おもに腰に締められるものという場所的な限定をともなっている。

解説:「新・田中千代服飾事典」より

ベルトの起源は、古代ギリシャ時代の「バルテウス(BALTEUS)」と呼ばれる武具で、これがのちにベルトに変化したとする説があります。

この武具は、腰に巻いたり肩に掛けたりして身に付け、留め具に剣を挿し入れるものだったようですが、武器や物を携帯するための道具として考えると、先史時代にまでさかのぼります。

ベルトは衣服以前からあったもので、ある意味では衣服のもとと考えることすらできる。つまり人間が裸体で生活していたころ、手は物を採集するために、また足は歩くために用いられていたが、なんの働きもしない胴部にはベルトを締めて、これに採集したものをつるしたり、袋をつけて物を入れたことがそのはじまりとされ、これが腰部をおおう衣服にと発展したとも考えられる。しかし現在では一般に男女を問わず腰やその他の部分に締める<帯><紐>などのことで、フランス語のサンチュール<ceinture>にあたる。通常バックル、クラスプ、ボタンなどで、ウエストにあわせてとめるか結ぶようになっている。ドレスをウエストで締める実用と装飾とをかねたものである。装飾用のものとしては前や後ろ、あるいは脇だけにつけられるものもある。

解説:「新・田中千代服飾事典」より

ベルトは実用性のみならず装飾品としても発展し、その幅や使用される材質などにも時代の流行があります。

12〜13世紀頃には、宝石や金糸を使った美しいものがあらわれました。その後ルネサンス期に競い合うように、宝石や貴金属があしらわれた豪華で美しいものが登場しました。
発展の流れは、前回のボタンと同様ですね。

古代においてはベルトは服の着つけのための必需品であり、エジプトでは幅広のものを、ギリシア、ローマ時代には細幅の紐を用いた。12〜13世紀には男女の服装に重要な位置をしめるようになり、宝石で飾ったもの、金糸で文様(もんよう)を織りだした美しいものがあらわれ、14世紀になるとロー・ウエストの服が多くあらわれたため、ベルトを締める位置も著しく下になった。15世紀にはハイ・ウエスト気味になり、ベルトはますます豪華になった。短刀や袋類をつるすようになったのもこのころである。近世になり服が二部式になると、ベルトは消失の道をたどったが、最近になり、実用装飾として復活してきた。

解説:「新・田中千代服飾事典」より

ボタンはその形や材質といったそのもの自体だけでなく、付けられる配置などもデザイン性に大きく影響しましたが、ベルトも同様です。

ウエスト周りと、範囲はある程度限定されているものの、その微妙な位置の違いで大きく見え方が変わってきます。しかも、身体のシルエットに大きく関わるため、ベルトの位置まで気配りできたら、かなりのおしゃれ上級者です。

ベルトはつけられる位置により、その人の姿を美しくも悪くもする。ウエストの美しい線を強調するために、ベルトは大きな役割を果たしている。ベルトの位置と幅は、背丈の位置とか、そのときの流行によるウエストラインの位置によってきめられる。だいたいにおいて太いベルトは背を低くみせるから日本人には不向きである。

解説:「新・田中千代服飾事典」より

通常はズボンやスカートなどのベルトループに通したり、そのまま腰の辺りで締めて用いられるベルト。

最近はカーディーガンやコートの上からなど、アウターのアクセントとして締めるのがおしゃれですね。ダウンジャケットなどもベルト付きのものがあるように、丸いシルエットになりがちな冬物アイテムにとって、ベルトは女性らしいシルエット作りにも役立ちます。
特にコートなどの重量アウターはなかなか買い替えないアイテムなので、今年の冬はベルト使いを工夫して、いつもと違う冬のファッションを楽しんでみてはいかがでしょう。

そういえば、そろそろ空からやって来る白い髭のお爺さんも、赤いアウターの上から黒い太ベルトをしていましたね。

もうすぐクリスマス。
街のおしゃれもますます華やかになる季節です。
華やかな衣服も素敵ですが、ベルト使いでワンランク上のおしゃれをしてみませんか?

文/佐藤 かやの(フリーライター)