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服飾専門課程
(ファッション)

ビーチ・ウェア

Beach wear

ファッション豆知識COLUMN

今年の夏も、非常に暑い日が続いています。

暑い日は海やプールなどに出かけて、開放感あるビーチ・ウェアで水辺で過ごしたいものですね。のんびり雑誌を読んだり、寝転がったりするだけでも楽しいもの。泳がなくてもいいんです。

元々海水浴は、17世紀にヨーロッパで健康促進と回復を目的とした医療行為として始められ、18世紀後半に一般化したと言われています。ちなみに、日本で最初に海水浴場ができたのは大磯町だそうです。
なので、泳ぐというより海水に浸かり、新鮮な海辺の空気を吸いながら日光浴をする、という類のものでした。

その後海水浴は医療目的から娯楽目的に変わり、今の海水浴の形になります。
とはいえ、日照時間の少ないヨーロッパ諸国では、いまだに海水浴は健康促進のための日光浴、という意味合いが大きいようです。また、ヨーロッパの人々にとって小麦色の肌は、バカンスを楽しむ余裕を示すセレブ的象徴でもあるとか。

こうして海水浴が娯楽に変わり、当然ビーチでのファッションもどんどん進化しました。

ビーチ・ウェア【Beach wear】

海岸で着られる服、およびそのアクセサリーのことで、ビーチは<海岸><海辺の砂>の意味。これは泳ぐための服ではなく、日光浴やボール遊び、散歩などのための、海岸で着る服一般をさしてこうよぶ。とくに一定の形があるわけではないが、ショーツとブラウス、短いスカートとブラウスなどの組み合わせ、また短いワンピース・ショーツ(one piece short = ショーツと上身頃が一続きになったもの)、ロンパース、フリルなどのついた腹部を露出したワンピース・ドレス、背中の大きくあいたサン・ドレス、パジャマ・スタイルの服、ムームーなど、海岸でのみ着ることのできるはででだいたんなものが用いられる。日光浴に適するように、なるべくからだを露出し、活動的で、楽しいふんい気をもった形が多い。また、肌を露出させる目的のほかに装飾的な意味も兼ねて、布をだいたんにカットしたものなどもみられる。色彩も夏の強烈な太陽に調和するよう、明るくはでなものが用いられる。

解説:「新・田中千代服飾事典」より

「新・田中千代服飾事典」の「ビーチ・ウェア」の解説に書かれているようなファッションは、今では街中でも見られるものであることに驚きます。
女性がより開放的になったということでしょう。

最近は様々なビーチ・ウェアがありますが、女性は水着の上にパレオなどを巻いている人を多く見かけます。
「パレオ」というと、このような女性水着の上に着用する一枚布を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?

パレオは元々「巻きつけるスカート」を意味する、タヒチなど南洋諸島の民族衣装でした。

パレオ【Pareu , Pareo】

おもにタヒチなど南洋諸島の人々が巻いて着用する綿布のこと。

解説:「新・田中千代服飾事典」より

一枚の大判の綿布を身体に巻きつけ、端を結んで着用します。巻きつけ方や結ぶ位置を変えることで、スカートだけではなく、パンツ、ワンピースなど様々な用途で使えます。

一枚布を巻いて着用する民族衣装は、他にインドのサリーやアフリカのカンガなどがあります。アフリカのカンガやキテンゲは、「アフリカン・バティック」とも呼ばれるようにろうけつ染めの一枚布です。インドネシア、マレーシアなどの特産品でもあるろうけつ染めの一枚布は「バティック」と呼ばれ、パレオと同様、そのエスニックな模様が夏のリゾート・ファッションとして人気です。日本では「ジャワ更紗」とも呼ばれ親しまれています。

こうした南国の民族衣装のひとつのパレオが、ビーチ・ファッションとして世界に拡まったのは、1950年代のアメリカで、水着の上の腰部分にこのパレオを巻きつけたスタイルが流行したのがきっかけでした。日本では1990年代後半より流行し、現在では水着とパレオの組み合わせで売られるものがあるほど、定番となっています。

パレオの柄は色鮮やかで華やかな模様のものが多く、まさしく太陽の季節のビーチ・ファッション。
今では柄も派手なものだけでなくシックなもの、素材も濡れても乾きやすいレーヨンやポリエステルなど化学繊維のものもあります。

巻きつけ方や結ぶ位置で、何種ものワンピースになったりスカートになったり。頭に巻いてもおしゃれな帽子の代わりとなり、熱射病対策にもなりそうですね。海外では、ビーチマットにしている人もよく見かけます。

そんな多様な目的に合わせて七変化できるパレオ。
ビーチ・ウェアとしてだけではなく、夏のリゾート旅行の必需品です。

ビーチ以外のレストランやショップでも、大活躍。冷房が少し肌寒い時に、肩から羽織ってストール代わりに。
冷えるといえば飛行機内。パレオを首に巻くだけで、身体の冷えを防ぐので重宝しますよ。その際は機内持ち込み用のバッグに入れるのを忘れずに。いざ必要な時に、スーツケースの中だと出すことができないという失敗例もあります。
また、四つの端を結んで袋状にすれば、とたんにエコバッグにもなります。

夏休み、リゾート旅行を計画している方は、ぜひ水着と一緒に一枚、便利なパレオを持っていかれてはいかがでしょう。
もちろん、リゾート地ではだいたい素敵なパレオがたくさん売っているので、現地調達もおススメです。

文/佐藤 かやの(フリーライター)