ファッション豆知識

ユニフォーム

4月から進学、就職などで組織(集団)に属するようになると、その組織(集団)の「ユニフォーム」を着ることが求められることがあります。

「ユニフォーム」は日本語では「制服」です。「制服」と言うと「学生服」をまず思い浮かべますが、制服着用の職業も多いですよね。警官や消防士、パイロットやキャビンアテンダント、医者や看護婦など特殊な業務で制服着用が求められます。また僧侶や巫女など宗教的な職業や儀式の際に着られる儀礼服なども制服の一種と言えます。儀礼服については「礼服」の回で少しお話ししましたね。また「制服」がその職業の「正装」(こちらも「礼服」でお話ししました)になる事もあります。

ユニフォームUniform

ユニは<一つの>、フォームは<形>ということで、一つの形にそろえられたということをあらわし、制服、軍服、官服、選手の制服などをさす。ユニフォームは官庁、会社、学校などの団体、あるいは身分などを示すため、またそれらに属していない人を区別するために着られる、特別の外観をもった衣服である。また、正装という意味もふくみ、警官が特別の行事のときに、学生が卒業式などのときに着る制服が、つまり正装であるということで、ユニフォームの語が使われることもある。警官の制服、学生の制服、電車の車掌、駅員、デパートの店員の制服など各種のユニフォームがあり、各職場や団体の機能や特徴により、独自の型をつくりだしている。たとえば万国博のユニフォームなどは、その国柄や職種がよくあらわされており、ものによってはよく目立つように、また逆に、目立たないようにつくられている。作業員などのユニフォームがひかえめな色、デザインであるのは、目立たないということが一つの公共的サービスとも考えられるからである。ユニフォームにもそのときどきの流行の反映がみられるが、1968年アメリカのコネティカット州において、女子高校生の服装に膝上20センチ以上もあるミニ・ドレスが許可され話題となった。フランス語では<ユニフォルム (uniforme)>とか、<ヴェトゥマン・ユニフォルム (vêtement uniforme)>といわれる。

解説:「新・田中千代服飾事典」より

せいふく制服

ある目的によって規定された服装のこと。儀礼用、機能用、集団用などに大別できる。儀礼用としては奈良時代以来の礼服、朝服、制服がしだいに簡略化されて束帯(そくたい)、衣冠(いかん)、直衣(のうし)、直垂(ひたたれ)、裃(かみしも)などになり、明治になっては大礼服、燕尾服(えんびふく)、フロック・コートなどの洋服が採用された。職業用としては警官、僧、神官、学生、操縦士、看護婦、消防士、スチュワーデス、コック、事務員、作業員、店員などが、所属する団体が定めた服装をするもので団体の目的を表示しやすいようにかぶり物、はきもの、所持品、記章、肩章、腕章などが付随している場合が多い。またとくに奈良時代の庶民が公役に服するときに、朝廷で着るもののみをさす場合もある。英語のユニフォーム(uniform)、フランス語のユニフォルム(uniforme)にあたる。

解説:「新・田中千代服飾事典」より

ユニフォームを着る目的は、この「儀礼用」も含めて「集団用」「機能用」と大きく3つに分けられます。

「集団用」は、その組織(集団)の服装を統一することによって、その帰属感を高めて士気をあげる効果があります。ちゃんとした「制服」というわけでなくとも、友達のグループでお揃いのTシャツを着るだけでも、集団意識としての仲間との繋がりが強まったり、気持ちが高揚したりしませんか?以前「パジャマ」の回でご紹介した「パジャマ・パーティー」などは、そんな一例です。スポーツのユニフォームなどもそうですよね。競技用だけでなく、オリンピックの開会式や閉会式に着られるユニフォームは、その国を象徴するデザインがされていて、各国のユニフォームを見るのも楽しいものです。

スポーツのユニフォームに見られるように、「集団用」は対戦相手や審判など、役割の区別をはっきりする目的もあります。警察官や警備員、医者なども同様で、様々な人が行き交う環境で、すばやい判別を必要とする場合は、一目でそれとわかるユニフォームになっています。

チームスポーツの場合、一度に多くの人が早い動きをするために、ユニフォームにはチーム名や選手名、背番号など判別しやすいものが付いています。そのため観覧者はユニフォームに注目するので、サッカーのようにユニフォームが広告枠となり、スポンサー名もプリントされている事があります。

反対に、「作業服」などは目立たないようにデザインされたユニフォームです。これはどちらかというと、役割を明らかにしつつも、防寒、防水、防汚、道具を収納できる、など主に「機能用」として着用されています。

以前は機能性ばかり問われ、デザイン性はあまりなかった作業服ですが、最近はデザインのおしゃれなものが増えてきました。作業着専門店の「ワークマン」などは若い女性からも人気で、作業着を可愛く着こなす「ワークマン女子」と呼ばれる愛用者が増えているそうです。「高機能なのに安い」のが人気の理由でしょう。アウターなどアウトドアものは、取り入れやすいアイテムだと思います。

スポーツのユニフォームは機能性が勝負を左右することから、「集団用」という目的だけでなく「機能用」としての重要度が高いと言えます。
選手たちはユニフォームで統一されながらも、自由に選べる部分で、それぞれより機能性の高いアイテムを求めますが、それが行き過ぎて規定から外れると失格になる恐れもあります。
靴もユニフォームのひとつと考えると、最近マラソンで話題になった反発力の高い炭素繊維のプレートが入った厚底靴の規制のニュースが思い出されます。

スポーツでも仕事着でも、最近は「頭から足先まで皆同じ」というものよりも、一定の規定を設けて、それ以外は自由とするようなフレキシブルな運用をしているところも増えました。

また、ユニフォームまでいかなくとも、慣習的に着用を義務づけられているような事もあります。
こちらも靴の話題でしたが、昨年ツイッターで「#KuToo」運動が多くの女性の共感を集めました。「#KuToo」運動を簡単に説明すると、「#KuToo」は「靴」と「苦痛」をかけたもので、女性だけが苦痛を伴うハイヒールやパンプスを強制される職場っておかしいのではないか、という疑問がひとりの日本女性から発せられた事から広まりました。様々な議論が起こりましたが、皆さんはどのように考えるでしょうか?

集団でユニフォームや服装規定を作る際は、ユニフォームの利点を活用しつつ、強制的なストレスが無いように配慮し、個人の能力が最大限に発揮できるようなバランスが取れるようにできると、良いですね。
いつでも服は、人をポジティブにさせるものであって欲しいですもの。

文/佐藤 かやの(フリーライター)

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